エコーで赤ちゃんのむくみ(NT)を指摘されたら

このサイトはFMF胎児クリニック東京べイ幕張をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

出生前検査は赤ちゃんの健康診断です| Fetal Heart » 出生前検査に関するお悩み相談 » エコーで赤ちゃんのむくみ(NT)を指摘されたら

妊婦健診のエコーで「赤ちゃんの首の後ろにむくみがある」と医師から指摘され、「何か病気があるの?」「ダウン症なの?」と不安になっている妊婦さんもいるでしょう。

エコーで確認される首の後ろのむくみは「NT(Nuchal Translucency)」と呼ばれます。NTを指摘されたからといって、それだけでダウン症などの染色体疾患や心臓の病気があると診断されるわけではありません。

大切なのは、「むくみがある」という言葉や「○mm」という数字だけで結論を出さず、妊娠週数やNTの厚さ、計測されたときの条件、ほかのエコー所見なども含めて考えることです。このページでは、エコーで赤ちゃんのむくみを指摘されたときに知っておきたいことと、その後に考えられる検査について解説します。

エコーで見える「むくみ(NT)」とは?

NT(Nuchal Translucency)は、妊娠初期の赤ちゃんの首の後ろに超音波(エコー)で確認される「むくみ」を指します。

出生前検査認証制度等運営委員会では、妊娠11~13週に超音波検査を行い、NTなどの超音波マーカーから21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー・13トリソミーがある可能性の高さを調べる検査について説明しています。

NTは超音波マーカーとして広く用いられていますが、正しく計測するには専門的な技術が必要です。赤ちゃんの向きや姿勢、計測する断面なども関係するため、健診でもらったエコー写真を見て自分で厚さを測ったり、「○mmだから病気」と判断したりすることはできません。

NT測定そのものについて詳しく知りたい方は、NT測定とは?NIPTとの違いやメリット・デメリットもあわせてご覧ください。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)

NTは何mmから厚い?数値を見るときの注意点

エコーでNTを指摘されると、「3mmなら大丈夫?」「3.5mmや4mmだとダウン症なの?」と、数値が気になる方もいるでしょう。

NTは単純に「○mm未満なら正常」「○mm以上なら病気」と診断できるものではありません。一方、国際産婦人科超音波学会(ISUOG)の11~14週の超音波検査に関するガイドラインでは、NTが3.5mmを超える場合を、超音波でほかの異常が確認された場合とともに、追加の評価を考える基準のひとつとして用いる検査戦略が示されています。

つまり、「3.5mm」という数値は医療者がその後の検査を検討する際の目安のひとつにはなりますが、「3.5mm未満なら絶対に大丈夫」「3.5mmを超えたらダウン症」と判断する境界線ではありません。

実際の評価では、NTだけでなく妊婦さんの年齢や妊娠週数、ほかの超音波マーカー、必要に応じて血液検査などの情報を組み合わせて考えます。

インターネット上で「NT○mmならダウン症の確率は○%」という情報を見つけても、その数字をそのまま自分の赤ちゃんに当てはめないことが大切です。気になる数値を伝えられた場合は、実際のエコー所見を確認した医師に「この数値をどう評価しているのか」「追加で確認した方がよいことはあるのか」を聞いてみましょう。

※参照:International Society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology(ISUOG)「Updated ISUOG Practice Guidelines: Performance of 11-14-week ultrasound scan」
(https://www.isuog.org/resource/updated-isuog-practice-guidelines-performance-of-11-14-week-ultrasound-scan.html)
出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)

「むくみ」を指摘されたらどう考えればいい?

NTは、21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー・13トリソミーなどの染色体疾患がある可能性を調べる際に使われる超音波マーカーのひとつです。

ただし、「むくみを指摘された=ダウン症などの染色体疾患がある」という意味ではありません。超音波マーカーを見る検査は、病気の有無を確定する検査ではなく、病気がある可能性の高さを調べる非確定的な検査です。

また、胎児超音波検査では、染色体疾患の手がかりとなるマーカーだけでなく、心臓・脳・骨・血管など赤ちゃんのからだの構造についても確認できます。

そのため、NTを指摘されたときは「むくみがあるか、なくなるか」だけに注目するのではなく、今回のNTを医師がどのように評価しているのか、ほかに気になるエコー所見がないか、追加で確認する必要があるかを聞いてみることが大切です。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)
出生前検査認証制度等運営委員会「胎児超音波検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/anatomy-ultrasound/)

エコーでむくみを指摘されたら確認したい5つのこと

突然「むくみがあります」と言われると、その場では何を質問すればよいのか分からなくなってしまうこともあります。診察時には、次のような点を確認しておくと、その後の情報を整理しやすくなります。

  • 今回指摘された「むくみ」はNTのことなのか
    「むくみ」という言葉だけでは何を指しているのか分からないこともあります。まず、NTについて指摘されたのかを医師に確認してみましょう。
  • 妊娠何週で、NTは何mmだったのか
    NTは決められた妊娠時期や条件で評価します。「何mmだったか」だけでなく、いつ計測された値なのかも確認しておくと、その後の説明を理解しやすくなります。
  • NT以外に気になるエコー所見はあったのか
    NTだけでなく、ほかの超音波マーカーや赤ちゃんのからだの構造なども、その後の検査を考えるための情報になります。
  • 専門的なエコーで詳しく確認する必要があるのか
    NTなどの超音波マーカーを正しく評価するには専門的な技術が必要です。必要に応じて、胎児超音波検査などで詳しく確認した方がよいか聞いてみましょう。
  • 次に検討できる検査には何があるのか
    染色体疾患の可能性を調べたいのか、赤ちゃんのからだの構造を詳しく確認したいのかによって、検討する検査は異なります。「何を知るための検査なのか」を理解して選ぶことが大切です。

診察室でうまく質問できるか心配な場合は、気になることをスマートフォンなどにメモしておき、医師に見せながら確認するのもひとつの方法です。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)

不安を解消するために考えられる次のステップ

NTを指摘されたあとにどのような検査が必要になるかは、妊娠週数やNTの厚さ、ほかのエコー所見などによって異なります。

出生前検査には、それぞれ「わかること」と「わからないこと」があり、すべての妊婦さんが同じ検査を受けるわけではありません。まずは医師から説明を受け、自分たちが何を知りたいのかを整理したうえで検討しましょう。

胎児ドック(胎児超音波検査)

胎児ドックは、赤ちゃんのからだの構造などを詳しく調べる「胎児超音波検査」の呼び方のひとつです。

出生前検査認証制度等運営委員会では、胎児超音波検査について、妊婦健診とは別に時間をかけて行い、赤ちゃんの内臓・骨・血管などの形や構造、動きの変化を詳しく見る検査と説明しています。

心臓・脳・腎臓や膀胱・手足など、さまざまな部位を確認できるほか、染色体疾患があるときに変化がみられることのある超音波マーカーを確認する場合もあります。

また、「胎児ドック」「精密胎児超音波検査」「妊娠初期超音波検査」などの名称は統一されておらず、同じ名称でも医療機関によって検査内容が異なります。NTについて詳しく確認したい場合は、予約する前にどのような項目を評価する検査なのか確認しましょう。

胎児ドック(エコー検査)について詳しく見る

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「胎児超音波検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/anatomy-ultrasound/)

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)

NIPTは、妊婦さんから採血し、血液中に含まれるDNA断片(cfDNA)を分析して、21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー・13トリソミーがある可能性を調べる検査です。

出生前検査認証制度等運営委員会では、妊娠9~10週以降に行う検査と説明されています。

NIPTは病気がある可能性が高いか低いかを調べる非確定的検査です。陽性となった場合でも実際には病気がない「偽陽性」があるため、診断を確定するには羊水検査などの確定的検査が必要になります。

また、出生前検査認証制度等運営委員会の認証施設でNIPTの対象となっているのは、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの3つです。NTが厚くなることと関連するすべての疾患をNIPTで調べられるわけではありません。

そのため、NTを指摘された場合には、NIPTだけでなく超音波による赤ちゃんの形態評価などについても医師と相談しましょう。

NIPTについて詳しく見る

羊水検査・絨毛検査

NIPTや超音波検査などで染色体疾患についてさらに詳しく確認する必要がある場合には、羊水検査や絨毛検査といった確定的検査を検討することがあります。

羊水検査は、一般的に妊娠15~16週以降に、超音波で胎盤や赤ちゃんの位置を確認しながら妊婦さんのおなかに針を刺し、採取した羊水中の細胞から染色体を調べる検査です。

絨毛検査は、妊娠11~14週ごろに胎盤の組織の一部である絨毛を採取して染色体を調べる検査で、羊水検査より早い妊娠時期に実施できます。

どちらも染色体疾患について確定診断ができる検査ですが、おなかに針を刺して検体を採取するため、感染や出血、流産などのリスクがあります。検査でわかることだけでなく、検査そのもののリスクについても説明を受けたうえで検討することが大切です。

羊水検査について詳しく見る
絨毛検査について詳しく見る

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「羊水検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/amniocentesis/)
出生前検査認証制度等運営委員会「絨毛検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/cvs/)

検査を受けるか迷ったら遺伝カウンセリングで相談する

NTを指摘されたからといって、すぐに「どの検査を受けるか」を自分だけで決めなければならないわけではありません。

出生前検査では、検査によってわかることだけでなく、わからないことや、結果を受けてどのように考えるのかについても整理する必要があります。

遺伝カウンセリングでは、染色体や遺伝子に関係する病気について専門的な知識を持つ医師や認定遺伝カウンセラーなどに相談できます。検査を受けるかどうかを迷っている段階から相談することもできます。

また、出生前検査について知りたいことや話してみたいことがある場合は、妊婦健診で通院している産婦人科医療機関の医師・助産師や、市区町村の母子保健窓口などに相談することもできます。

エコーで指摘されたむくみ(NT)に関するよくある質問

NTが3mm・3.5mm・4mmと言われたらダウン症なのでしょうか?

NTの厚さだけでダウン症を診断することはできません。

国際産婦人科超音波学会(ISUOG)のガイドラインでは、NTが3.5mmを超える場合を追加の評価につなげる基準のひとつとして扱う検査戦略が示されていますが、「3.5mm以上ならダウン症」「3.5mm未満なら絶対に大丈夫」という意味ではありません。

NTはダウン症などの染色体疾患がある可能性を調べるための情報のひとつです。妊娠週数やほかのエコー所見なども含めて考える必要があるため、3mm・3.5mm・4mmといった数値だけを見て自己判断しないようにしましょう。

※参照:International Society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology(ISUOG)「Updated ISUOG Practice Guidelines: Performance of 11-14-week ultrasound scan」
(https://www.isuog.org/resource/updated-isuog-practice-guidelines-performance-of-11-14-week-ultrasound-scan.html)
出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)

むくみがその後目立たなくなったら、もう心配ありませんか?

NTは妊娠初期に評価する超音波マーカーです。その後にむくみが目立たなくなったとしても、「むくみが見えなくなった」ということだけで、染色体疾患やそのほかの病気がないと確定することはできません。

最初に確認されたNTをどのように評価しているのか、ほかに気になる超音波所見がないかによって、その後の確認方法は異なります。追加の胎児超音波検査などが必要かどうかは医師に相談してください。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)
出生前検査認証制度等運営委員会「胎児超音波検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/anatomy-ultrasound/)

エコー写真を見れば、自分でもNTの厚さを確認できますか?

NTなどの超音波マーカーを正しく計測するには専門的な技術が必要です。出生前検査認証制度等運営委員会も、超音波マーカーの正しい計測には訓練が必要であり、検査者の国際的な認定制度があると説明しています。

そのため、健診でもらったエコー写真を定規などで測ったり、インターネット上のエコー画像と比較したりして、NTが正常かどうかを自分で判断することは避けましょう。エコー写真を見て気になる部分があった場合は、医師に確認してください。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)

NIPTが陰性でも、NTが厚い場合は詳しい検査が必要ですか?

出生前検査認証制度等運営委員会の認証施設でNIPTの対象となっているのは、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーです。

一方、胎児超音波検査では心臓・脳・腎臓・手足など、赤ちゃんのさまざまな部位の形や構造を確認します。つまり、NIPTと胎児超音波検査では「調べているもの」が同じではありません。

そのため、NIPTが陰性であっても、NTの厚さやほかのエコー所見によっては、詳しい胎児超音波検査などが検討されることがあります。「NIPTが陰性だったからNTについてはもう確認しなくてよい」と自己判断せず、その後の確認が必要か医師に相談しましょう。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)」
(https://jams-prenatal.jp/testing/nipt/)
出生前検査認証制度等運営委員会「胎児超音波検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/anatomy-ultrasound/)

妊娠14週を過ぎたら、赤ちゃんの状態を調べることはできませんか?

NTなどの超音波マーカーを使った検査は、主に妊娠11~13週に行われます。

ただし、妊娠14週を過ぎたからといって、赤ちゃんの状態を調べられなくなるわけではありません。出生前検査認証制度等運営委員会では、胎児超音波検査は妊娠初期・中期・後期に行われるほか、必要に応じて時期にこだわらず受けられる検査と説明しています。

妊娠中期以降には、心臓・脳・骨・血管など赤ちゃんのからだの構造を詳しく確認することもできます。現在の妊娠週数でどのような確認ができるのか、医師に相談しましょう。

※参照:出生前検査認証制度等運営委員会「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/genetic-ultrasound/)
出生前検査認証制度等運営委員会「胎児超音波検査」
(https://jams-prenatal.jp/testing/anatomy-ultrasound/)

まとめ

エコーで赤ちゃんの首の後ろにむくみ(NT)を指摘されたからといって、それだけでダウン症などの染色体疾患や心臓の病気があると診断されるわけではありません。

一方で、NTは染色体疾患などがある可能性を調べる際に使われる大切な超音波マーカーのひとつです。「何mmだったか」という数字だけで判断するのではなく、妊娠週数やほかのエコー所見なども含めて医師に確認することが大切です。

不安なときは、ひとりでインターネット上の数字や体験談を調べ続けるのではなく、「今回のむくみをどのように評価しているのか」「次にどのような確認ができるのか」を医師に聞いてみましょう。必要に応じて胎児ドック(胎児超音波検査)やNIPT、確定的検査、遺伝カウンセリングなどについて相談することができます。

関連ページ

監修
FMF胎児クリニック東京べイ幕張 院長 林 伸彦先生
Sponsored by
FMF胎児クリニック東京べイ幕張
院長 林 伸彦先生
           

生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。

           
メディア
運営会社
Zenken株式会社
       

FetalHeart(フィータルハート)は、出生前検査や胎児医療に関する正しい情報を、悩むご家族の立場に寄り添って届けるメディアです。皆さんの悩みに寄り添い、選択するお手伝いを少しでもできれば幸いです。