【専門用語なしのカンタンガイド】出生前検査とは

このサイトはFMF胎児クリニック東京べイ幕張をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

出生前検査は赤ちゃんの健康診断です| Fetal Heart » 【専門用語なしのカンタンガイド】出生前検査とは

出生前検査とは?

出生前検査とは、妊娠中に胎児の染色体異常や先天性疾患の有無を調べる検査です。妊婦健診の超音波検査とは異なり、希望する妊婦さんが受ける任意の検査となります。検査方法には母体血液や超音波を用いる非確定検査と、羊水や絨毛を採取して診断する確定検査があります。厚生労働省の方針により、現在ではすべての妊婦さんに情報提供が行われるようになっています。検査を受けるかどうかは、ご夫婦で十分に話し合い、遺伝カウンセリングを通じて決定することが推奨されています。

出生前検査の種類

一口に出生前検査といっても、種類はさまざま。検査の目的や検査対象、検査方法などが異なります。主な検査法は、以下の6つです。

  • NIPT(新型出生前検査)
  • コンバインド検査
  • クアトロテスト
  • 胎児ドック(エコー検査)
  • 羊水検査
  • 絨毛検査

超音波(エコー)検査は、赤ちゃんのからだや内臓、脳や骨などに形の異常があるかを調べる検査です。NIPTやコンバインド検査、クアトロテストでは、妊婦さんの血液から染色体や遺伝子の異常を調べます。これらは「非確定検査」と呼ばれ、異常の可能性を評価するためのもの。診断は確定されないため、陽性結果が出た場合は絨毛検査や羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。

羊水検査や絨毛検査は、妊婦さんのおなかに針を刺し、絨毛(胎盤になる組織)や羊水を採取して行う検査です。「確定検査」と言われ、検査結果により染色体や遺伝子異常の診断を行います。

出生前検査の目的

家族の意思決定を支える情報提供

出生前検査の重要な目的のひとつは、ご家族が十分な情報をもとに自主的な意思決定を行えるよう支援することです。検査結果を通じて胎児の状態を知ることで、出産後の生活や育児について具体的に考え、準備を進めることができます。遺伝カウンセリングでは、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが中立的な立場から情報を提供し、ご夫婦の価値観を尊重しながら意思決定をサポートします。検査を受けない選択も含め、すべての決定が尊重されます。

出産・新生児医療の準備につなげる

出生前検査により胎児の疾患が判明した場合、出産前から専門的な医療体制を整えることが可能になります。高度医療設備を持つ医療機関での出産計画や、出生直後から必要な治療を開始できる体制の構築につながります。心臓疾患など早期治療が有効な疾患では、事前準備により新生児の予後が大きく改善する可能性があります。また医療チームとの事前相談を通じて、ご家族の不安を軽減し、安心して出産に臨める環境を整えることができます。

妊娠中の見守りとフォローアップ計画

検査結果に応じて、妊娠中の適切な管理計画を立てることができます。胎児の状態に合わせた定期的な観察や、必要に応じた精密検査のスケジュール調整が可能になります。また胎児の成長発達を慎重にモニタリングすることで、妊娠中に生じる変化に早期に対応できます。医療機関では産科医、小児科医、遺伝専門家などが連携し、出産まで継続的にサポートする体制を構築します。こうした計画的なフォローアップにより、母子ともに安全な妊娠経過を目指します。

心理的サポートと相談の機会

出生前検査の過程では、検査前の不安、結果待ちの期間、結果を受け取った後など、さまざまな場面で心理的なサポートが必要になります。遺伝カウンセリングでは、検査に関する医学的情報の提供だけでなく、ご夫婦の感情や悩みに寄り添う心理的支援も行われます。検査結果が陽性だった場合には、より専門的なカウンセリングや支援団体との連携も提供されます。こうした継続的な相談機会を通じて、ご家族が孤立せず、適切な情報とサポートを得ながら前に進めるよう支援します。

出生前検査でわかること

非確定検査でわかること

非確定検査は、胎児に染色体異常がある可能性を評価するスクリーニング検査です。NIPT(新型出生前診断)では21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体数的異常の可能性を高い精度で判定できます。母体血清マーカー検査やコンバインド検査でも同様の評価が可能です。胎児超音波検査(胎児ドック)では、心臓や脳などの形態異常を観察できます。ただしこれらは確定診断ではなく、陽性の場合は確定検査による診断確定が必要です。

確定検査でわかること

確定検査は、胎児の染色体異常を確定診断できる検査です。羊水検査では妊娠15週以降に羊水を採取し、絨毛検査では妊娠11週以降に絨毛組織を採取して、胎児の染色体を直接分析します。ダウン症候群をはじめとする染色体数的異常や、微細な染色体構造異常まで診断が可能です。検査精度はほぼ100%ですが、侵襲的な検査のため約0.3%の流産リスクが伴います。検査結果により胎児の状態が確定することで、その後の医療計画や意思決定の基盤となります。

結果の見方

非確定検査の結果は「陽性」「陰性」「判定保留」で示されます。陽性は疾患の可能性が高いことを、陰性は可能性が低いことを意味しますが、確定診断ではありません。陽性的中率は母体年齢や疾患により異なり、35歳でのダウン症候群のNIPT陽性的中率は約80%とされています。確定検査では染色体の核型分析結果が提示され、異常の有無が明確に判定されます。結果の解釈には専門的知識が必要なため、必ず医師の説明を受け、遺伝カウンセリングを通じて正しく理解することが重要です。

出生前検査と出生前診断の違い

前述のように、出生前検査はおなかの赤ちゃんの健康状態を調べる検査です。
赤ちゃんでいうと、「むくみがある」「心臓の弁の逆流がある」など、それ自体は病気ではないものの、病気が隠れているサインを見つけることをいいます。

これに対して出生前診断は、おなかの赤ちゃんの病気を診断することを言い、病名がわかればその後の方針に繋げることができます。
出生前検査で「異常の可能性がある」と指摘された場合は、診断を確定させるために出生前診断を受けるかどうかを判断します。

どちらも赤ちゃんの状態を調べるという点では同じですが、出生前検査と出生前診断ではそれぞれ目的が異なります。施設によっては出生前検査を含めて「出生前診断」と呼ぶ場合もあるようです。

NIPTとクアトロテストと
胎児ドックの違い

NIPTとクアトロテスト、胎児ドックは、いずれもおなかの赤ちゃんの健康状態を知るための検査方法です。

NIPTは、妊婦さんの血液から赤ちゃんの染色体疾患を調べる検査。21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの染色体異常の可能性を評価することができます。

クアトロテストは、妊婦さんの血液に含まれる4種類の成分(AFP・非抱合型E3・hCG・インヒビンA)を測定するテストです。21トリソミーと18トリソミー、開放性神経管欠損症の可能性について調べることが可能です。

胎児ドックは、赤ちゃんの首のむくみや鼻骨の有無などから21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べる検査です。
頭、顔、心臓、手足など、他の形でわかる臓器の疾患も評価できることが特徴です。病気によっては、胎児ドックそのものだけで診断に至るものもあり、必要に応じて出生前から医療や支援につなげていくための検査です。

それぞれ検査の目的や頻度、検査項目などが異なるため、違いをよく理解することが大切です。

NIPTとは

NIPT(新型出生前検査)はおなかの赤ちゃんの染色体に異常があるかを調べるための検査です。この検査では、「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」のリスクについて確認します。

検査時には、妊婦さんの血液を採取し、血液に含まれる赤ちゃんのDNA断片を分析します。ただし、確定診断ではなく、染色体異常に関する可能性を予測する検査であることを理解した上で受けることが大切です。

コンバインド検査とは

コンバインドテスト(初期胎児ドックなど)はおなかの赤ちゃんの染色体異常のリスクを調べる検査です。主に「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」のリスクについて確認する検査で、妊婦さんの血液検査(母体血清マーカー)と超音波検査(NTなど)、そして母体年齢を組み合わせてリスクの確率を算出します。ただし、確定診断ではなく、染色体異常に関する可能性を予測する検査であることを理解した上で受けることが大切です。

クアトロテストとは

クアトロテストはおなかの赤ちゃんの特定の疾患のリスク(確率)を調べる検査です。主に「ダウン症候群(21トリソミー)」「18トリソミー」「開放性神経管奇形」のリスクについて確認する検査で、妊婦さんの血液検査(4つの血清マーカー)と、母体年齢や妊娠週数などの情報を組み合わせて確率を算出します。ただし、これは確定診断ではなく、あくまで「可能性」を調べる非確定的検査(スクリーニング検査)であることを理解した上で受けることが大切です。

胎児ドック(エコー検査)とは

胎児ドックとは、超音波を使っておなかの中の赤ちゃんのからだの形や臓器の発達を確認し、染色体異常や先天性疾患の有無を調べる検査です。妊婦健診で行う超音波検査よりも多機能かつ精密な機器を使用するため、赤ちゃんのからだの細やかな構造や機能を評価することができます。

羊水検査とは

羊水検査は、羊水内に含まれる赤ちゃんの細胞を分析し、染色体異常や特定の遺伝子疾患がないかを調べる検です。検査精度はほぼ100%ですが、おなかの中に注射針を刺して羊水を採取するため、流産や早産などのリスクを伴う可能性があります。デメリットやリスクを考慮したうえで、慎重に検討することが大切です。

絨毛検査とは

絨毛(じゅうもう)検査は、胎盤の組織の一部である絨毛を採取して、赤ちゃんの染色体や遺伝子の異常を調べる検査です。妊娠早期に検査を受けられ、さらに多くの細胞を採取できるのでより正確な検査が可能というメリットがあります。ただし、羊水検査よりも流産のリスクが高い点に注意が必要です。

NT測定とは

NT測定は、赤ちゃんの首の後ろに見られるむくみの厚さを測定して、染色体異常や先天性疾患の可能性がないかを調べる検査です。母体血清マーカー検査と組み合わせることで、検査の精度を高められます。検査者の技術や経験によって結果が左右される可能性があるので、NT測定の国際的な認証制度「FMFライセンス」の取得者に測定してもらうのが望ましいでしょう。

超音波スクリーニングとは

超音波スクリーニングは、超音波で赤ちゃんや胎盤、羊水などを詳しく観察し、先天性異常がないかを調べる検査です。超音波スクリーニングではダウン症をはじめとする染色体異常の有無はわからないので、調べるには別の出生前検査を受ける必要があります。

母体血清マーカー検査とは

母体血清マーカーは、妊婦さんの血液を採取し、おなかの中の赤ちゃんの染色体や神経管に異常がないかを調べる検査です。妊婦さんの年齢や体重、妊娠週数なども結果に影響するため、35歳以上の妊婦さんは陽性になる可能性が高くなる傾向があります。

よくある質問

出生前検査は誰でも受けられますか?

2022年以降、年齢制限なくすべての妊婦さんが出生前検査に関する情報提供を受けられるようになりました。検査を受けるかどうかは妊婦さんとパートナーの自由な意思で決定できます。ただし認証医療機関で検査を受ける場合は、遺伝カウンセリングの受講が必要となります。

どの検査を選べばいいですか?

検査の選択は、調べたい内容、精度、費用、リスクなどを総合的に考慮して決定します。まずは産科医や遺伝カウンセラーに相談し、それぞれの検査の特徴や限界について説明を受けることが大切です。ご夫婦の価値観や希望に基づいて、最適な検査方法を選択してください。

費用はどのくらいかかりますか?

出生前検査は全額自己負担となり、公的医療保険は適用されません。NIPTは約8万円から20万円、胎児ドックは約2万円から5万円、羊水検査や絨毛検査は約10万円から20万円が目安です。遺伝カウンセリングも別途費用がかかります。医療機関により料金は異なるため、事前に確認しましょう。

検査で陽性と言われたらどうすればいいですか?

非確定検査で陽性の場合、まず確定検査を受けて診断を確定させることが推奨されます。結果について医師や遺伝カウンセラーと十分に相談し、サポート体制や利用できる支援について情報を得ることが大切です。焦らず、ご夫婦で時間をかけて話し合い、納得のいく選択をしてください。

超音波と胎児ドックの違いを教えてください

妊婦健診の超音波検査は胎児の成長や健康状態を基本的に確認する検査です。一方、胎児ドックは精密超音波検査とも呼ばれ、心臓や脳などの臓器を詳細に観察し、形態異常を評価します。検査時間が長く、より高度な技術と設備が必要で、専門医が実施します。目的と精度が異なる別の検査です。

監修
FMF胎児クリニック東京べイ幕張 院長 林 伸彦先生
Sponsored by
FMF胎児クリニック東京べイ幕張
院長 林 伸彦先生
           

生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。

           
メディア
運営会社
Zenken株式会社
       

FetalHeart(フィータルハート)は、出生前検査や胎児医療に関する正しい情報を、悩むご家族の立場に寄り添って届けるメディアです。皆さんの悩みに寄り添い、選択するお手伝いを少しでもできれば幸いです。