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胎児ドックでは、超音波(エコー)検査を使って、赤ちゃんの体の構造や臓器の発達を詳しく観察します。
特に、心臓・脳・顔・おなか・手足など、からだの“かたち”に関する異常(形態異常)を早い時期から評価することができます。
さらに、形の異常の中には、染色体異常と関連する特徴的なサインも含まれます。
たとえば
こうした所見の組み合わせから、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなどのリスクを“確率”として具体的に評価することができます。
つまり胎児ドックは、単に異常を見つけるだけでなく、「今どのような状態か」「どんな病気の可能性があるか」を数値として把握し、ご家族が考えるきっかけをつくるための検査でもあります。NIPTや羊水検査などを受ける前に、まず胎児の全体像を把握したいときにも良い検査です。
21番目の染色体が通常より1本多いことで現れる、染色体異常症のひとつです。
知的障害・身体的発達の遅れなどが特徴で、中には心疾患や消化器疾患などの合併症を発症するケースもあります。
18番染色体が3本存在することで現れる染色体異常症のひとつ。エドワーズ症候群とも言います。3,500〜8,500人に1人の割合で出生※。
低身長や心疾患、手足の短縮などさまざまな特徴があります。
13番目の染色体が1本多い、またはもう1本の一部が重複してある状態です。出生児の5,000〜12,000人に1人の割合で出生※。重度の知的障害と、頭蓋骨部分欠損や小眼球症、網膜異形成、口唇口蓋裂・高口蓋などの身体異常がみられます。
脳の構造や頭蓋骨の形成異常などをチェックします。
具体的には、大脳が欠損している無頭蓋症(無脳症)、脳が頭蓋の外に飛び出している脳瘤のほか、頭蓋骨早期癒合症、Hemimegalencephaly(片側巨脳症)、脳腫瘍、脳梁欠損、ジュベール症候群、胎児貧血などです。
左右の唇が繋がらず裂けている状態の口唇裂、歯茎がつながっていない顎裂、下顎骨が小さい下顎症(小顎症)、下顎がまったく形成されない無顎症、ダウン症候群やエドワーズ症候群の合併症としてあらわれる耳介低位などを評価します。
NT肥厚やヒグローマ、奇形腫、血管腫、脂肪腫などです。NT肥厚とは赤ちゃんの首の後ろのむくみのこと。
すべての赤ちゃんにあり、妊娠の経過によって消失しますが、通常より厚いまま存続したり、嚢胞状に肥大したりした場合は、染色体異常や心臓病、感染症などの可能性があります。
肺に袋状の良性腫瘍ができるCPAM(シーパム / 先天性肺気道奇形)、横隔膜に開いた孔から胃や腸管、肝臓などが胸郭内に飛び出して肺や心臓を圧迫する横隔膜ヘルニア、横隔膜の張力が非常に緩い横隔膜弛緩症などが見つかる場合があります。
代表的な病気は、胎児不整脈や大動脈縮窄症、ファロー四徴症、大血管転移、三尖弁閉鎖症、Ebstein(エプスタイン)奇形、心室中隔欠損(VSD)などです。他にも僧帽弁閉鎖や僧帽弁逆流、房室中隔欠損症、肺動脈弁狭窄、大動脈離断、左心低形成症候群など数多くの病気を見つけることができます。
食道がうまく形成されない食道閉鎖、腸壁に生まれつき穴が空いていて、そこから小腸や大腸がほとんどはみ出している腹壁破裂、胃や腸などの臓器が臍の緒の中にはみ出している臍帯ヘルニア、膀胱が通常よりもやや大きい巨大膀胱などです。
腎臓が片方、あるいは両方形成されない腎無形成、通常より腎盂と尿管が多い重複腎盂尿管、ダウン症候群の特徴でもある水腎症なども確認することができます。
Hemivertebra、二分脊椎、脊髄髄膜瘤、髄膜瘤、脂肪腫、奇形腫、側弯などを調べることができます。
二分脊髄とは、脊椎がうまく形成されず、脊髄が脊柱管の外に飛び出した状態のこと。さまざまな神経障害を引き起こす場合があります。
胎児ドックでは、手足の欠損、内反足、合指、多指、変形、骨折、拘縮などを確認できます。
骨の先天性異常であるタナトフォリック骨異形成症は、手足だけでなく頭蓋骨、肋骨などにも異常な変形がみられます。
臍帯、羊水、羊膜、胎盤の異常なども確認することができます。
胎児ドックは、おなかの赤ちゃんのための“人間ドック”です。
大人の人間ドックと同じように、赤ちゃんの体のかたちや臓器の状態、心臓の動きなどを丁寧に確認することで、病気や異常のサインに早く気づくことができます。
もし赤ちゃんが、病気や染色体異常を抱えていたとしても、妊娠中に気づくことで、治療や出産後の準備につなげることができます。
欧米などでは、胎児の健康を守る一環として、「受けたい人がきちんと受けられるような仕組み」が整えられており、胎児ドックは“赤ちゃん自身のための医療”として位置づけられています。
日本でも、必要な人が必要な時期に、安心してこの検査を選べる環境づくりが少しずつ広がっています。
胎児ドックは、“命を選ぶ”ためではなく、“命を支えるための選択肢”として、赤ちゃんと向き合うきっかけとなる大切な検査です。
妊婦健診と胎児ドックは、それぞれ目的の異なる医療行為です。
妊婦健診は、お母さんの健康状態と赤ちゃんの基本的な発育(大きさや心拍、羊水の量など)を定期的に確認するための検診です。
一方で胎児ドックは、赤ちゃん自身の体の構造や臓器の形、病気のサインをより詳しく調べることを目的としています。
医療機関によっては、妊婦健診の中でも丁寧に胎児を観察しているところもありますが、妊婦健診で「異常なし」と言われても、どこまで見ているかは全国共通のルールがあるわけではありません。 そのため、「どこまで見ているかよくわからない」という場合には、現在通っている医療機関にぜひ確認してみてください。
胎児ドックでは、より細かい評価ができるよう設計された検査機器やソフトウェアを使用することが一般的です。ただし大切なのは、「機械が違う」というより、“何のために見るか”という目的の違いです。
どちらも赤ちゃんとお母さんを守るために大切な検査です。それぞれの役割を理解したうえで、必要なときに適切な検査を受けることが大切です。
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生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。
FetalHeart(フィータルハート)は、出生前検査や胎児医療に関する正しい情報を、悩むご家族の立場に寄り添って届けるメディアです。皆さんの悩みに寄り添い、選択するお手伝いを少しでもできれば幸いです。
林 伸彦先生より
赤ちゃんを安心して迎える
“準備の医療”です
胎児ドックは、“何か異常がないか”を調べるためだけの検査ではありません。
それは、安心して赤ちゃんを迎えるための“準備の医療”だと、私たちは考えています。
たとえば、もし治療ができる病気が見つかれば、妊娠中に治療や出産後の計画を立てることで、赤ちゃんの命を守れる可能性が高まります。 たとえ治療が難しい場合でも、出産直後に必要な医療を整えたり、ご家族が心の準備をする時間を持てたりすることが、赤ちゃんと家族の未来につながります。
胎児ドックは、赤ちゃんの状態を知ることから始まり、ご家族が備え、選び、支え合うきっかけとなる。
そんなふうに、“赤ちゃんの未来と家族の安心をつなぐ架け橋”のような存在でありたいと、私たちは願っています。