胎児が小さい・成長が遅いと言われたら?ダウン症との関係と検査を解説

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「胎児が小さい・成長が遅い」と言われても、すぐに異常とは限りません

妊婦健診で「赤ちゃんが小さい」「成長が遅い」と言われると、ダウン症などの病気があるのではないかと不安になるかもしれません。

まず大切なのは、胎児の大きさだけで病気の有無を判断することはできないということです。

胎児が小さいことは、体質による場合もあれば、胎盤や母体、胎児側の状態を確認したほうがよい場合もあります。

この記事では、胎児発育不全(FGR)の考え方、ダウン症などの染色体異常との関係、検査でわかること・わからないこと、次の健診で確認したい内容を整理します。

胎児発育不全(FGR)とは?どのように判断される?

胎児発育不全(FGR)は、さまざまな原因によって、胎児が本来持っている成長の力を十分に発揮できていない状態を指します。一方、妊娠週数に比べて小さくても、体質的に小さいだけで発育に問題がない胎児もいます。そのため、推定体重だけではなく、腹囲や血流、成長の推移などを含めて評価します。

ただし、診断は胎児の推定体重だけで決まるものではありません。

超音波検査で確認する胎児推定体重

超音波検査では、頭の大きさ、腹囲、大腿骨の長さなどをもとに胎児推定体重を算出します。医師は妊娠週数ごとの基準と照らし合わせ、胎児がどの位置にいるかを確認します。

推定体重は赤ちゃんの実際の体重を直接測ったものではありません。そのため、数値を見て自分で「異常」と判断するのではなく、基準からの外れ方と、次回までの成長をセットで確認します。

胎児の大きさだけでなく、腹囲・羊水量・血流も確認する

胎児の腹囲は、胎児に栄養が届いているかを考える際の手がかりの一つです。羊水量や臍帯動脈などの血流、必要に応じて胎児心拍なども確認します。

日本産科婦人科学会の資料でも、胎児体重の経時的変化、胎児腹囲、羊水量などを総合して判断する考え方が示されています。つまり、推定体重の数字だけを切り取って不安を深める必要はありません。

※参照元:【PDF】日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン産科編2026 パブリックコメント資料」
(https://www.jsog.or.jp/activity/publication/pdf/sanka_gl2026_pc1.pdf)

胎児の成長が遅くなる主な原因

胎児の成長に影響する要因は一つとは限りません。母体、胎盤・臍帯、胎児側の要因が重なっていることもあれば、検査をしても明確な原因がわからないこともあります。

もともとの体質や両親から受け継いだ体格

両親が小柄である場合、赤ちゃんも体質的に小さめになることがあります。この場合、推定体重が小さくても、成長の推移や胎盤の血流などに問題がないことがあります。

「小さい」という結果だけで、妊婦さんの食事や生活が原因だと決めつけることはできません。体質による小ささなのか、成長が妨げられているのかを、健診で確認していきます。

胎児が小さいとダウン症の可能性がある?

胎児が小さいと聞いたとき、ダウン症を心配する人は少なくありません。染色体異常と胎児発育不全に関連がみられる場合はありますが、胎児の小ささだけでダウン症の可能性を判断することはできません。

しかし、胎児が小さいだけでダウン症とは判断できない

ダウン症の有無を、胎児推定体重だけで診断することはできません。胎児発育不全がみられる赤ちゃんのすべてに染色体異常があるわけでもありません。

検査を検討するときは、「小さいからダウン症を調べる」という一つの結論に急がず、超音波で何が確認されているのか、検査で何がわかるのかを説明してもらいましょう。

胎児が小さいときに検討される検査

検査は、それぞれ調べられる対象と限界が違います。「どの検査が一番よいか」ではなく、「何を知りたいのか」に合わせて考えることが大切です。

NIPTでわかること・わからないこと

NIPTは、母体の血液中にある胎児由来のDNA断片を使い、主に13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの可能性を調べる検査です。

NIPTは胎児発育不全の原因全般を調べる検査ではなく、陽性でも確定診断ではありません。陰性でもすべての先天性疾患を否定できるわけではないため、検査前に対象疾患と限界を説明してもらいます。

※参照元:こども家庭庁「出生前検査とは?」
(https://prenatal.cfa.go.jp/prenatal-testing/type-of-inspection.html)

まとめ|「小さい」という一言だけで判断せず、経過と検査の意味を確認しましょう

胎児が小さい、成長が遅いと言われたとき、ダウン症などの病気を心配するのは自然なことです。

しかし、胎児の小ささだけで染色体異常を判断することはできません。体質、妊娠週数、胎盤や母体の状態、胎児の成長の推移を総合的に確認する必要があります。

胎動の変化、出血、破水、強い頭痛などがある場合は、記事を読み続けず医療機関へ連絡します。症状がなくても、不安が続く場合は次回健診を待たずに相談して構いません。

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監修
FMF胎児クリニック東京べイ幕張 院長 林 伸彦先生
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院長 林 伸彦先生
           

生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。

           
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