前回の妊娠で染色体異常・流産があった方へ|次の妊娠のリスクと検査

このサイトは胎児クリニック東京べイ幕張をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

出生前検査は赤ちゃんの健康診断です| Fetal Heart » 出生前検査に関するお悩み相談 » 前回の妊娠で染色体異常・流産があった方へ|次の妊娠のリスクと検査

前回の妊娠で赤ちゃんの染色体の病気(染色体異常)や流産を経験すると、「次の妊娠でもまた同じことが起こるのでは」と不安になるかもしれません。染色体異常の多くはたまたま起こるものですが、原因によっては、次の妊娠でくり返しやすくなる場合もあります。この記事では、次の妊娠で知っておきたいことや受けられる出生前検査、専門家に相談できる「遺伝カウンセリング」について、わかりやすく解説します。

つらい経験のあとに、次の妊娠が不安になるのは自然なこと

前回の妊娠で、赤ちゃんの病気や染色体異常を心配した経験があると、次の妊娠で出生前検査を受けるかどうか悩む方は少なくありません。過去の妊娠で赤ちゃんの病気が心配になったことは、出生前検査を考えるきっかけのひとつとされています。

また、流産の原因はさまざまですが、妊娠初期の流産には、赤ちゃんの染色体異常が関係していることもあります。前回の流産が染色体異常によるものだった場合、次の妊娠が不安になるのは当然のことです。

まずは、前回の妊娠で何があったのかを整理することから始めましょう。そのとき受けた検査の結果や、流産したときに赤ちゃんの染色体を調べたかどうかなど、わかる範囲でまとめておくと、医師に相談するときに役立ちます。

※参照・引用元データ:
・厚生労働省「出生前検査に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000754902.pdf

出生前検査そのものに不安を感じている方は、「出生前検査が不安なあなたへ。誰にも言えないモヤモヤに寄り添う心のケアガイド」も参考にしてください。

また、出生前検査を受けるべきか迷っている方は、「出生前検査をやるべきか悩んでいる」もあわせてご覧ください。

染色体異常の多くは「たまたま」起こるもの|次の妊娠でくり返す確率は?

ダウン症候群(21トリソミー)などの染色体異常の多くは、卵子や精子がつくられるときに染色体がうまく分かれず、偶然起こるものです(これを「染色体不分離」といいます)。そのため、前回の妊娠で染色体異常があったからといって、お父さん・お母さんの染色体に原因があるとは限りません。

ただし、過去に21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの赤ちゃんを妊娠したことがある場合、次の妊娠で同じ病気が起こる確率は、同じ年齢の方の一般的な確率より高くなるといわれています。イギリスの公的医療機関(NHS)による遺伝医療の教育サイトでは、次の妊娠でくり返す確率の目安として、「約1%」と「お母さんの年齢から見た確率」のうち、高いほうを使う考え方が紹介されています。

ただし、この数字はすべての染色体異常や流産に当てはまるわけではありません。前回の染色体異常が、すべての細胞で染色体が1本多い「標準型」だったのか、染色体の一部がほかの染色体にくっついている「転座型」や、正常な細胞と染色体異常のある細胞が混ざっている「モザイク型」だったのかによって、次の妊娠への影響の考え方は変わります。

※参照・引用元データ:
・NHS Genomics Education Programme「Pregnant woman with a previous pregnancy or baby diagnosed with full trisomy 21, 18 or 13」
https://www.genomicseducation.hee.nhs.uk/genotes/in-the-clinic/presentation-pregnancy-where-previous-pregnancy-or-child-diagnosed-with-trisomy-21-18-or-13/

お父さん・お母さんの染色体に原因がある場合は、くり返しやすくなることも

お父さんかお母さんの染色体に「均衡型転座(きんこうがたてんざ)」と呼ばれる変化がある場合は、次の妊娠でも染色体異常が起こりやすくなります。均衡型転座とは、染色体の一部がほかの染色体と入れ替わっているものの、遺伝情報の量そのものには過不足がない状態のことです。そのため本人は健康で、気づかないまま過ごしていることもあります。しかし、卵子や精子がつくられるときに染色体の組み合わせが変わり、赤ちゃんの染色体が多すぎたり足りなかったりすることがあります。

ただし、親に均衡型転座があっても、必ず赤ちゃんに染色体異常が起こるわけではありません。起こる確率は、どの染色体がどのように入れ替わっているかによって異なります。

また、同じ染色体異常を何度もくり返している場合は、親の染色体以外の原因も含めて詳しく調べる必要があります。前回の染色体異常の種類や検査結果を確認し、次の妊娠でどのくらいくり返す可能性があるのかを、医師と一緒に確かめていくことが大切です。

※参照・引用元データ:
・NHS Genomics Education Programme「Down syndrome (trisomy 21)」
https://www.genomicseducation.hee.nhs.uk/genotes/knowledge-hub/down-syndrome-trisomy-21/

次の妊娠で受けられる検査と、受ける時期

次の妊娠では、妊娠週数や「何を知りたいか」に合わせて、出生前検査を選ぶことができます。日本産科婦人科学会のガイドライン(産婦人科診療ガイドライン―産科編2023)では、検査を受ける時期の目安を次のように示しています。

  • NIPT(新型出生前診断):妊娠10週以降
  • 絨毛(じゅうもう)検査:妊娠11~14週
  • 羊水検査:妊娠15週以降

NIPTは、お母さんの血液を採るだけで、赤ちゃんに21・18・13トリソミーの可能性があるかを調べる検査です。ただし、わかるのは「可能性が高いか低いか」までで、病気があると確定できるわけではありません(このような検査を「非確定的検査」といいます)。一方、絨毛検査や羊水検査は、赤ちゃんの染色体を直接調べて診断を確定できる「確定的検査」です。NIPTで陽性となった場合は、本当に染色体異常があるかを確かめるために、絨毛検査や羊水検査などの確定的検査を検討します。

検査の時期や特徴について詳しく知りたい方は、「出生前検査はいつから受けられる?」も参考にしてください。

※参照・引用元データ:
・公益社団法人日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf

妊娠前・妊娠初期に受けられる遺伝カウンセリング

前回の妊娠で染色体異常や流産を経験した方は、妊娠してから検査について考えるのではなく、妊娠する前から遺伝カウンセリングを受けるという方法もあります。

遺伝カウンセリングとは、遺伝や病気について専門家に相談し、正しい情報をもとに、夫婦が納得して決められるようサポートを受けられる場です。日本産科婦人科学会も、出生前検査は遺伝カウンセリングを受けたうえで行うことを勧めています。検査の内容だけでなく、結果がわかったときにどうするか、家族にどんな影響があるかなども含めて相談できます。

認定遺伝カウンセラーの役割については、「出生前検査やNIPTで迷ったら?命と向き合う夫婦を支える『認定遺伝カウンセラー』とは」で詳しく解説しています。

心のケアと、夫婦・家族での向き合い方

つらい経験のあとに次の妊娠を迎えると、うれしい気持ちと同時に、「また同じことが起きたらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。出生前検査についても、結果を知るのが怖い、受けるべきか迷う、と感じるのは自然なことです。

検査を受けるかどうかを決めるときは、夫婦それぞれが感じている不安や希望を話し合ってみましょう。「もし結果がわかったら、どう受け止めたいか」まで話しておくと、ふたりが納得できる判断につながります。

次の妊娠への不安を一人で抱え込まず、夫婦や家族、医療者と気持ちを共有しながら、自分たちに合った向き合い方を見つけていきましょう。

出生前検査を受けることへの怖さや罪悪感がある場合は、「出生前検査を受けるのが怖い・罪悪感がある」も参考にしてください。

関連ページ

監修
胎児クリニック東京べイ幕張 院長 林 伸彦先生
Sponsored by
胎児クリニック東京べイ幕張
院長 林 伸彦先生
           

生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。

           
メディア
運営会社
Zenken株式会社
       

FetalHeart(フィータルハート)は、出生前検査や胎児医療に関する正しい情報を、悩むご家族の立場に寄り添って届けるメディアです。皆さんの悩みに寄り添い、選択するお手伝いを少しでもできれば幸いです。