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妊娠を考えていると、「夫が年上だけど、父親の年齢は赤ちゃんの健康に影響するの?」と気になることがあるかもしれません。この記事では、父親の年齢と染色体異常の関係をはじめ、年齢とともに増えるといわれる遺伝子変異や一部の先天性疾患について解説。
また、NIPTや胎児超音波検査でわかること・わからないこと、出生前検査を考える際に知っておきたい遺伝カウンセリングについても紹介します。
ダウン症候群(21トリソミー)や18トリソミー、13トリソミーは、染色体の数が通常とは異なることで起こります。これらは、母親の年齢が上がるほど発生する可能性が高くなることが知られています。
詳しくは「高齢出産とダウン症の確率」でも説明しています。
一方、父親の年齢と胚の染色体数の異常との関係については、2026年時点では明確な関連が示されていません。そのため、夫が年上であることだけを理由に、ダウン症などの染色体数の異常について個人のリスクを判断することはできません。
ここで注意したいのが、染色体の数の異常と遺伝子の変化は別のものだという点です。父親の年齢との関連が研究されているのは、染色体の数の異常だけではなく、年齢とともに精子で生じやすくなる新しい遺伝子変異などです。次では、この違いについて詳しく解説します。
父親の年齢との関連が研究されているものの一つが、新しく起こる遺伝子変異(de novo変異)です。男性の体内では生涯にわたって新しい精子がつくられます。その過程でDNAの複製が繰り返されるため、年齢とともに精子の中に新しい遺伝子変異が生じやすくなると考えられています。
新しく起こる遺伝子変異とは、両親から受け継いだものではなく、卵子や精子がつくられる過程などで新たに生じる遺伝子の変化です。こうした変化の一部は、子どもに受け継がれることがあります。
父親の年齢とともに増える新しい遺伝子変異は、一部の単一遺伝子疾患や先天性疾患などとの関連が報告されています。また、自閉スペクトラム症や統合失調症などとの関連も研究されています。
ただし、父親が高齢になるほど子どもに病気が生じるという意味ではありません。父親の年齢との関連が報告されている疾患がある一方で、個々の赤ちゃんにおける絶対的なリスクは低いとされています。研究で統計的な関連が示されていることと、特定の父親から生まれる赤ちゃんに病気が起こることは、分けて考える必要があるでしょう。
また、父親の年齢だけで赤ちゃんの健康状態を予測できるわけではありません。「父親が40歳以上だから特定の病気になる」というように、年齢だけで病気の発生を一律に判断できるものではないのです。
「高齢の父親ではリスクが○倍」といった数字を見ると、不安になるかもしれません。研究結果を読むときは、数字の大きさだけでなく、次の点にも注目しましょう。
父親の年齢に関する研究結果を見るときは、数字だけを切り取らず、何を対象にした研究なのか、どのような関係が示されたのかまで含めて捉えることが大切です。
NIPTは、母体の血液中にある胎盤由来のDNA断片を調べ、主に21・18・13トリソミーの可能性を評価する検査です。母体への身体的な負担が比較的小さい一方、対象となる染色体異常には限りがあります。
胎児超音波検査では、超音波を使って赤ちゃんの全身を観察し、脳や臓器、顔や手足などの特徴や病気があるかを調べます。染色体そのものを直接調べる検査ではないため、染色体の病気について確実にわかるものではありません。
どちらも検査の対象は限られており、NIPTが陰性でも、すべての先天性疾患や遺伝子の変化がないとはいえません。
詳しくは出生前検査で「わかること」と「わからないこと」でも説明しています。
父親の年齢が気になるときは、年齢だけで検査を決めるのではなく、何を知りたいのかを夫婦で整理しましょう。染色体の数の異常を知りたいのか、赤ちゃんの体の形や臓器を確認したいのかによって、考える検査は異なります。
出生前検査を受けるか迷っている場合は、遺伝カウンセリングという方法があります。専門家から検査の目的や結果の意味について説明を受け、自分たちの考えを整理することが可能です。
父親の年齢に関する研究結果だけで個々の妊娠について判断することはできません。気になるリスクを明確にしたうえで、医療機関に相談しましょう。
「出生前検査やNIPTで迷ったら?命と向き合う夫婦を支える「認定遺伝カウンセラー」とは」では、遺伝カウンセリングの役割を詳しく紹介しています。
検査前に話し合っておきたいことは、「出生前検査の結果が出る前に|2人で話し合いたい3つのことと心構え」も参考にしてください。
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生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。
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