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双子を妊娠していると分かったとき、うれしさと同時に「染色体異常の可能性も2倍なのでは」と不安になる方がいます。結論から言うと、双子妊娠だから、必ず染色体異常の確率が高いと決めつけることはできません。一方で、双胎は検査の読み取りや結果の受け止め方が単胎と異なるため、検査前の説明がとても重要です。
双胎の妊娠管理では、胎盤を共有しているか、羊膜を共有しているかという絨毛膜性・羊膜性が大切です。二絨毛膜二羊膜(DD)は胎盤が2つ、または胎盤が分かれている状態、一絨毛膜二羊膜(MD)は1つの胎盤を2人で共有する状態です。これらは超音波検査で確認され、妊娠中の管理や検査の考え方に関わります。
日本の57施設が参加した研究では、12週以降の双胎について、染色体異常が確認された割合はDDで0.9%、MDで0.2%でした。ただし、この数字は研究に含まれた妊娠、診断方法、観察期間に基づくものです。すべての双子妊娠に当てはめたり、個人の赤ちゃんの状態を予測したりするための数字ではありません。
「双子は染色体異常が多い」という情報だけが一人歩きすると、不安が必要以上に大きくなります。反対に「研究では低かったから検査は不要」とも言えません。年齢、超音波所見、妊娠の経過、双胎のタイプなどを合わせて、検査を受ける目的を考えます。
NIPTは母体血中の胎児由来DNA断片を調べ、主に21・18・13トリソミーの可能性をみる検査です。双胎では2人分のDNAが混ざるため、検査対象や判定の仕組みが単胎と異なります。施設によって、対象疾患、検査可能な週数、性染色体を調べられるか、判定保留時の対応が異なることがあります。
また、NIPTは確定診断ではありません。陽性の場合に、どの赤ちゃんに関係する可能性があるのか、確定検査をどう考えるのかを含めて、検査前に説明を受けてください。検査会社だけでなく、遺伝カウンセリングと産科診療を一緒に受けられる体制があるかも確認しましょう。
双子妊娠では「受けられる検査があるか」だけでなく、「結果が出たときに2人の情報をどう理解できるか」を軸に選ぶことをおすすめします。
一卵性・二卵性は受精卵の数による分類です。一方、一絨毛膜・二絨毛膜は胎盤を共有しているかを示す分類です。双胎の妊娠管理では、胎盤を共有するかどうかが合併症や健診間隔に関係するため、膜性の確認が重視されます。
二絨毛膜二羊膜双胎では、それぞれに絨毛膜と羊膜があります。一絨毛膜二羊膜双胎では、一つの胎盤を共有しながら羊膜は分かれています。膜性は妊娠初期の超音波で判断しやすいため、母子健康手帳などに記録してもらいましょう。
二卵性双胎では別々の受精卵から発育するため、一人だけに染色体疾患がある場合もあります。一卵性双胎では二人の染色体の状態が一致することが多いものの、受精卵が分かれた後の変化などにより必ず同じになるとは断定できません。
一人だけが小さい、超音波所見に差があるといった場合も、直ちに染色体異常を意味するわけではありません。胎盤の分け方、血流、へその緒の位置など双胎特有の原因も考えられます。
妊娠初期に双胎と確認された後、一人の発育が止まることをバニシングツインと呼びます。発育が止まった胎児・胎盤に由来するDNA断片が母体血中に残り、NIPTの結果へ影響する可能性があります。
今回の妊娠で一度でも双胎を指摘された場合は、現在は単胎に見えていても、検査前に医療機関へ伝えてください。状況によっては詳細な超音波検査や確定的検査など、別の方法が提案されます。
二人それぞれの発育、NT、臓器、胎盤、羊水量などを確認します。超音波だけですべての染色体疾患を除外することはできません。
双胎に対応する施設はありますが、検査項目や結果の示し方は施設によって異なります。陽性でも、どちらの胎児に関係する結果か特定できない場合があります。
確定的検査では、どの胎児・胎盤から検体を採取したかを正確に対応させる必要があります。双胎の検査経験がある施設で説明を受けることが重要です。
双子妊娠では、「受けられる検査か」だけでなく、結果が二人のどちらに関係するのか、次の検査で何を確認できるのかまで聞いてから選びましょう。
胎児一人あたりと、二人のうち少なくとも一人に疾患がある確率は異なるため、単純に2倍とは表せません。
着床前検査ですべての染色体疾患が確定するわけではありません。希望に応じて出生前検査や確定的検査について相談できます。
双子妊娠では、検査結果が一つ示されても、その情報が二人のどちらに関係するのか追加確認が必要になることがあります。そのため、採血の受けやすさや結果の早さだけでなく、陽性後に二人をどのように評価するかまで説明できる施設を選ぶことが大切です。
結果を知る目的も整理しておきましょう。妊娠中の管理や出産施設を準備するために知りたいのか、確定的な情報を希望するのかによって、適した検査は異なります。本人とパートナーで考えが異なる場合は、遺伝カウンセリングでそれぞれの疑問を言葉にする方法があります。
「二人とも元気であってほしい」と願うほど、不確実な説明を受け止めることは難しくなります。すぐに結論を出せないのは当然です。検査を受ける選択、受けない選択のどちらも含め、双胎に詳しい医療者と一緒に考えましょう。
双子の染色体異常に関する数字には、胎児一人あたり、妊娠一回あたり、出生時、妊娠中の診断時など、異なる分母と時点が使われます。研究対象に妊娠初期の流産が含まれているか、全例に染色体検査を行ったかによっても結果は変わります。
年齢別の単胎妊娠の確率を二倍するだけでは、個人の双胎妊娠の確率を正確に表せません。数字を提示されたときは、「誰を対象にした数字か」「一人あたりか妊娠あたりか」「どの時点の結果か」を確認しましょう。
NIPTが陰性でも、双胎特有の合併症がなくなるわけではありません。一絨毛膜双胎では双胎間輸血症候群などに注意し、二絨毛膜双胎でも早産や発育差などを確認します。担当医が指定した間隔で妊婦健診を受けてください。
反対に、妊娠経過が順調であっても、希望があれば出生前検査について相談できます。症状や合併症の有無だけで検査の必要性が自動的に決まるものではありません。
陽性、陰性、判定保留のいずれであっても、結果の意味を双胎の条件に合わせて説明してもらう必要があります。特に陽性の場合は、確定的検査の方法、二人への検査手順、実施時期を早めに相談します。
家族だけで結論を出そうとせず、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、母体胎児医学を扱う医師などの支援を利用しましょう。
双子妊娠と染色体異常の関係は、双胎のタイプや研究条件によって見え方が変わります。まずは妊婦健診で絨毛膜性・羊膜性を確認し、出生前検査を検討する場合は、双胎に対応した検査内容と、結果後の確定検査・相談体制を確認しましょう。
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生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。
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