このサイトはFMF胎児クリニック東京べイ幕張をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
母体血清マーカー検査は、妊婦さんの血液から赤ちゃんの細胞を採取し、染色体や神経管に先天性の異常がないかを調べる検査です。
母体血清マーカー検査には、血液中の3種類の成分を測定するトリプルマーカー検査と、4種類の成分を測定するクアトロマーカー検査があります。現在は母体血清マーカー検査というと、より精度の高いクアトロマーカー検査が主流です。
そのほかにも妊婦さんの年齢や体重、妊娠週数などを考慮して染色体異常の発生確率を計算するため、年齢の高い妊婦さんほど陽性になりやすい傾向があります。
母体血清マーカーは妊婦さんの血液を使用するため、おなかの中の赤ちゃんへの直接的な影響がなく、母子ともに安全に検査できます。同じく妊婦さんの血液を使うNIPT(新型出生前診断)に比べて費用が安く、さらに開放性神経管奇形の可能性についても調べられるのは母体血清マーカー検査の大きなメリットです。
確定診断の羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査は流産や早産などのリスクが抵抗があるという方や、ダウン症のほかに開放性神経管奇形についても調べたい方、費用をなるべく抑えて出生前検査を受けたいという方などに適しています。
母体血清マーカーは母子ともに少ない負担で受けられる検査ですが、一方でNIPTに比べて精度が劣るといったデメリットがあります。また、妊婦さんの年齢の影響を強く受けるので、35歳未満の方は陰性の可能性が高く、35歳以上の方は陽性の可能性が高くなりやすい点にも注意が必要です。
赤ちゃんに染色体異常がないのに陽性と判定されたり、逆に異常があるのに陰性と判定されたりしまうこともあるため、精度の高さを求める方には向かないでしょう。
そもそも母体血清マーカーは、あくまで先天性異常の可能性を評価する非確定的検査(スクリーニング検査)です。母体血清マーカーの確率が高かったからといって、赤ちゃんに必ず染色体異常があるとは言いきれないことを理解しておきましょう。
母体血清マーカー検査を受けられるのは、妊娠中期にあたる15週~20週ごろです。医療機関によって検査を受けられる時期が異なる場合があります。
母体血清マーカー検査の結果が陽性だった場合は、任意で羊水検査を受けます。もしもに備えて確定診断を受けられる妊娠周期を確認しておくと、母体血清マーカー検査を受けるタイミングもスムーズに決めやすいでしょう。
1.予約・事前相談
医師やカウンセラーとの事前相談が行われ、検査の目的や得られる情報、精度、リスクについての説明を受けます。出生前検査に関する不安や疑問を整理する機会でもあるので、聞きたいことがあれば相談してみましょう。
2.採血
検査は採血だけなので母体への負担は少なく、短時間で終了します。
3.結果説明
血液を分析する必要があるため、採血から結果説明までに約2週間ほどかかります。医師から結果の数値や判定の意味、その後の対応についての説明を受け、陽性だった場合は確定診断へと進むかどうかを検討します。
母体血清マーカー検査の結果の伝えられ方は、「分数(確率)」もしくは「スクリーニング陽性・スクリーニング陰性」の2通りあります。
分数で示す場合は、「1/256」「1/500」のように表示されます。たとえば検査結果が1/256だった場合は、256人のうち1人が対象の疾患の赤ちゃんを妊娠している可能性がある、ということです。
もう一方の方法では、対象の疾患にそれぞれ定められている基準値(カットオフ値)を上回った場合に、スクリーニング陽性と報告されます。ただ、母体血清マーカー検査の陽性的中率は高くないため、スクリーニング陽性の判定には、実際にはその病気がない「偽陽性」の方も多く含まれています。
母体血清マーカー検査にかかる料金の目安は2~3万円で、ほかの出生前検査よりも比較的安く検査を受けられます。医療機関によって初診料やカウンセリング料などが別途かかることもあるため、窓口などで事前に確認しておくと良いでしょう。
母体血清マーカー検査の結果によって羊水検査を受ける場合は、約10~20万円ほど必要になります。
出生前検査には公的健康保険が適用されないので、費用は全額自己負担となります。検査を受けるほど費用はどんどん高額になっていくため、経済的な負担も考慮しながら検査するかどうかを検討しましょう。
| NIPT | 母体血清マーカー検査 | |
|---|---|---|
| 検査を受ける時期 | 妊娠11週以降 ※結果次第で羊水検査を行う場合、17週頃までが推奨 |
妊娠15週~20週前後 ※結果次第で羊水検査を行う場合、17週頃までが推奨 |
| 検査でわかること (非確定) |
21トリソミー 18トリソミー 13トリソミー |
21トリソミー 18トリソミー 開放性神経管奇形 |
| 結果の出方 | 陽性 / 陰性 | 「1/256」などの確率 |
| 疾患がある時に検査陽性となる確率 | 約99% | 約80% |
| 検査費用 | 10〜20万円 | 2〜3万円 |
| 注意点 | 精度99%と表現されることが多いが、 検査陽性の時の的中率はもっと低い |
35歳以上の方は陽性になりやすい |
母体血清マーカー検査は先天疾患の可能性を評価するものなので、赤ちゃんが病気かどうかはこの検査ではわかりません。
もし結果を見て赤ちゃんがダウン症かどうかを確認しないと心配という場合は、確定診断である羊水検査でより正確な情報を得ることができます。開放性神経管奇形についてもっと詳しく調べたい場合は、超音波検査を検討しましょう。
母体血清マーカー検査は結果が出るまでに約2週間かかり、羊水検査を受けるとなるとさらに約2~3週間かかります。妊娠の中断も選択として残しておきたい場合は、法律で手術のタイムリミットが決まっているので、母体血清マーカー検査は17週までに受けることが推奨されています。
また、羊水検査後に妊娠を継続するかどうか考える時間を多く確保するためにも、母体血清マーカー検査はなるべく早いうちに受けるのがおすすめです。
ただ、羊水検査は妊婦さんのお腹に針を直接刺して羊水を採取するため、確率はわずかですが流産や早産などのリスクを伴います。妊婦さんへの精神的負担も大きいため、1人で抱え込まずに、医師やパートナーと十分に話し合うことが大切です。
母体血清マーカーは、母子ともに少ない負担で先天疾患の可能性を調べられる検査です。一方で偽陽性の可能性もあるため、検査結果をどこまで受けとめるべきかについて不安を感じる妊婦さんも少なくありません。
もしも母体血清マーカーを受けるか迷っている場合は、遺伝カウンセリングの利用をおすすめします。遺伝カウンセリングは専門家から検査や疾患についての正確な情報を提供してもらえ、さらに出生前検査に対する不安や葛藤への心理的サポートも受けられます。
出生前検査に関する正しい理解を深められるので、ご自身やパートナーが納得いく選択を決定するのにも役立つでしょう。
母体血清マーカーをはじめとする出生前検査を受けるべきかどうかに、正解はありません。大切なのは正確な情報を収集し、パートナーとよく話し合うことです。医師やパートナーと話し合って出生前検査を受けないという結論に至ったとしても、きっとそれがご夫婦にとっての最善の選択です。
生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。
林先生は海外で胎児医療を学び、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張を開院。超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて、日々胎児の健康を支えています。
FetalHeart(フィータルハート)は、出生前検査や胎児医療に関する正しい情報を、悩むご家族の立場に寄り添って届けるメディアです。皆さんの悩みに寄り添い、選択するお手伝いを少しでもできれば幸いです。